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がんばれ「地球研究室」
東急ハンズ名古屋店7Fに「地球研究室」というコーナーが2010年11月オープンした。(JR高島屋内)
 科学に関連のあるグッズが店には並んでいて、今までにあった、ネイチャーカンパニー・STUDY ROOMといった店とコンセプトとしてはそっくりである。
 ネイチャーカンパニーはずいぶん前に名古屋パルコ内にあった。科学グッズの日本における草分けだったのかもしれない。詳しくは知らないがわりと短期間で店は閉じた。採算が合わなかったのかもしれない。
それからしばらくして東京上野にSTUDYROOMという似たようなお店があるという情報が入ってきた。暫くして名古屋方面にもできた。ただ場所が中部国際空港の中だったので、ちょいちょい行くというわけにはいかなかった。最近空港店は閉店して、名古屋栄ラシック5Fに新たに開店した。それが移転なのかどうかは知らないが、店舗の面積はずいぶん小さくなった。それにともない主に書籍の売り場面積が減った。当然全体の品数も減った。
 そんな状況の中で開店した東急ハンズ「地球研究室」だ。この店の情報は友人の地球ゴマ職人のTさんから教えてもらった。
 「地球研究室」では我が愛する地球ゴマがVIP待遇をされているということで期待してお店に行った。「地球ゴマ」は今は作っていない小さいサイズのものや木製の教材セットなど、今入手できるタイガー商会もの一式にTシャツが特製の木箱にはいって29800円。
こういう店の一番人気は「恐竜」関係なのだろう、たくさんの関連グッズが目を引く。岩石や天文関連のものもある。まあそれらの分野は私の興味を引くものはないのでざっと見渡して「物理・化学」分野の「動き・不思議・楽しい」の琴線に触れるものを探す。
 持っているものがほとんどで、今まで目にしたことのないものはなかった。一つだけ「浮沈潜水艦 DIVING SUB(Made in USA)」というのは持っていなかったので2個買った(一つ556円)

家に帰って遊んでみる。
10センチ強の灰色の潜水艦の中に日本語訳の説明書きを見ながら「ふくらし粉(重曹)」を入れてバケツの中に沈める。ところが説明書きの通りに浮いたり沈んだりしない。ぼけっと浮いたままである。
英文の説明書を読んでみると「ベーキングパウダー」を使うと書いてある。
妻にこの2つは同じものかと聞くと「同じではない」という。辞書で調べてみると「ベーキングパウダー→重曹を主成分とする膨張剤。ふくらし粉」とある。
まず日本語の誤訳が一つ見つかった。

「ふくらし粉(重曹)」ではだめで
「ふくらし粉(ベーキングパウダー)」

でなくてはならない。この段階で輸入販売元
株式会社 のもと 06ー6458ー6831
はきちんと製品が作動するかのチェックをしていないことが疑われる。

この2つの物質の科学的な違いはわからないが現象的な違いはわかる。
重曹は水に入れても見た目の変化はない。
ふくらし粉は水に入れると泡(おそらく二酸化炭素)を出す。
この泡こそが潜水艦の浮上のエネルギーに使われるはずである。

そして、ベーキングパウダーに変えて再度トライするが、うまく行かない。泡がでているが沈まないのである。
おそらく今度は潜水艦自体の「重さ」が問題であると予想して、ねじりっこ(お菓子の袋などを止めるビニル付き針金)を2センチほどに切って潜水艦のボディにつけてみる。 これでようやくベーキングパウダーの泡と潜水艦の重さがつりあって浮いたり沈んだりするようになった。

 日本語の誤訳があり、それをクリヤーしても潜水艦自体の重さによる不具合がある。そうして考えてみるとこのおもちゃでうまく浮いたり沈んだりの動作にたどりつける人は皆無に近いのではないだろうか?

 もちろん輸入元もしっかりと確かめたとは思えない。しかし私はハンズの仕入れ担当者が本当に一つ一つ確かめて楽しかったものだけを入れているのかの方が気になる。この「DIVING SUB」に関しては実際にハンズの担当者は遊んでいないはずだ。遊べば不具合はすぐに確かめられるのだから。

 ハンズはよく「各フロアー担当が自分で見て責任を持って商品を並べています」ということを公言しているだけにこういった小さなオモチャを大切にしてほしいと思う。これが「科学の不思議」と出会う初めての子どももいるかもしれないのだ。
それが、うまく作動しなかったとき,子どもは悲しい思いをすることだろう。

 これは余談だが「ミステリーUFO」というおもちゃをハンズのあるフロアーのVTRで流していたので買ったがひどい品物でほぞをかんだ経験がある。同じような思いをした人は私の周りに何人もいた。「ハンズののれんに傷が付く」と思ったものだ。

営業マネージャーのSさんという方と少しだけ話が出来た。「STUDY ROOMは好きじゃないんです」といわれたので「どうしてですか」と尋ねると「説明がちゃちだ」ということをいわれていた。
それはSさんの主観なので私が何かいうべき立場ではない。確かに「地球研究所」はフロアーが大きい分ラシックの「STUDYROOM」よりもいろいろな品物がそろっている。でも、それですべてよしとは思えない。例えばトルネードチューブに関して「STUDYROOM」では1029円。ハンズでは262円。私はこのおもちゃはアメリカの子供博物館の売店で10年以上前に見つけて買ってきて知っていた。こんなものはすぐ作れると思ってフィルムケースで作ったり、ビニテープで巻いたりして自作してみたが、どうにもうまくいかなかった。やはり1キロ以上のペットボトルの重さを支えるには専用のねじ溝が切ったものでないとだめだろうというのが最近の結論。今勤め先の養護学校でもとても人気のおもちゃなのだが荒っぽい使い方をしても壊れないのは「U.S.patent4625780」の「TORNADO TUBE」 だろう。
今ハンズにおいてあるのは200円台の中国製で、あれは多分すぐにポッキリと折れるだろう。ポンポン舟もショーケースに並んでいたが今でも日本製のものが連綿として作られているのでそれを商品としてほしい。作りや仕上げが全く違う。安い外国製のは子どもが手を切るかも知れない。ちなみに11月25日に見たらショーケースの中の潜水艦とポンポン舟の説明書きが逆になっていた。私は「ハンズ」というブランドイメージが好きなので高くてもハンズのものなら間違いないという科学おもちゃを是非並べてほしい。今のところ品数は少ないが「STUDY ROOM」の方が良質の品物が並んでいると思う。

 地球ゴマは並べておいただけでは「懐かしい」と思う大人しかターゲットにはならない。これは是非「実演即売」で「歴史・科学・曲芸的なおもしろさ」の三拍子そろった科学おもちゃの最高傑作ということで今の子供たちにも知らしめていただきたい。名古屋生まれの地球ゴマの発信源になってもらいたい。私が実演したい位だ、まあそんなわけにも行くまいが。

せっかくの「地球研究室」とても面白そうなエリアなのでぜひ応援したいと思っている。
がんばれ「地球研究室」!!
by fusigigatanosii | 2010-11-25 23:02 | Comments(3)
Commented by 広角機動体 at 2011-02-13 16:19 x
はじめまして★ブログ拝見しました!とても面白かったです。私のblogですhttp://gh7.blog71.fc2.com/、よろしく。
Commented by love-earth at 2012-04-23 08:01 x
はじめまして。先日、ラシックのSTUDY ROOMで地球ゴマに久しぶりに触れ、今ネットで色々と検索しているなかで、このブログに出会いました。私も仕事で放課後の障害児支援をしており、実験での楽しい体験から、たくさんの興味を持って欲しいと願い実験教材を集めています。そのため、「壊れにくい質の良いものを販売していってほしい」という願いが全く同じでとてもうれしく思います。他の記事も順に読ませていただきます。
Commented by 市原千明 at 2012-04-30 23:17 x
ラブアース様
よろしければ我が家においでください。いろいろなオモチャがあります。
壊れにくいもでしたらまず「トルネードチューブ」をおすすめします。スタディールームで売っています。819円です。支援学校の必需品と思っています。

科学オモチャのコレクター・日本の大道芸や話芸・整理収納・その日にあったゴキゲンなことなどを記事に取り上げます。
by fusigigatanosii
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